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令和6年度防衛医科大学校・明治薬科大学合同多職種連携教育(IPE)(医学科5年生、看護学科3年生、薬学科5年生対象)が実施されました

2025年2月26日

防衛医科大学校と明治薬科大学は、令和7年2月14日に、完全遠隔形式による合同多職種連携教育(合同IPE)を実施いたしました。対象者は、来年には実際の医療現場に立つことになる医学科5年生82名、看護学科3年生113名および薬学科5年生117名です。両大学からは、ファシリテータとして、教員・教官41名(医学科11名、看護学科15名、薬学科15名)も参加いたしました。

現代の医療は、1つの職種だけで成立することはなく、多職種が連携して業務にあたることが、患者さんに最良の医療を提供する上で不可欠となっております。そのためには、学生のうちから、他の職種の業務内容を理解するにとどまらず、考え方や知識面での共通点や相違点を知った上で、互いを尊重する姿勢を養うことが極めて重要です。防衛医科大学校と明治薬科大学は合同IPEに係る協定を締結し、令和3年度から年2回、それぞれ低学年(各学科1年生)と今回と同様の高学年を対象として、参加学年の学修到達度に応じた形式による合同IPEを実施しており、今回で8回目の開催となりました。これまでに参加した学生は3,000名以上にのぼります。

本合同IPEの黎明期はCOVID-19の流行期と重なっており、感染予防の観点から、対面形式の代替策として遠隔形式で開始した経緯があります。しかしながら、 COVID-19の流行を1つの契機として、医療においても、オンライン診療、オンライン訪問看護、オンライン服薬指導といった急速なリモート化が進んでいるのが現状です。私共は、これからの医療を担う学生に、オンラインでの優れたコミュニケーション能力を身に付けて頂くことも大きな目標として掲げ、完全遠隔形式での合同IPEを継続しております。

本合同IPEでは、明治薬科大学が開発したMicrosoft Teams®による双方向授業システムを使用しております。当日は2大学に、それぞれ合同IPE実施本部を設置し、合同IPE委員が運営にあたるとともに、防衛医科大学校からは1名の合同IPE委員が明治薬科大学に派遣され、司会と両大学間の連絡を担当いたしました。学生は自宅や学生舎から、ファシリテータは自宅あるいは研究室等の個室から、それぞれ参加することで、完全遠隔実施を実現しております。フェイルセーフ機能は本合同IPEの要であり、明治薬科大学学術情報課がすべてのセッションを常時モニタし、参加者からのトラブル相談に対応する一方で、合同IPE委員も各セッションを視察し、学術情報課と連携して問題解決にあたりました。

(左)明治薬科大学合同IPE実施本部(中)防衛医科大学校合同IPE実施本部(右)明治薬科大学学術情報課

学生は、各学科の学生から構成される、あらかじめ指定された午前20グループ、午後21グループ(各グループ7~8名)に分かれ、各グループを1名のファシリテータが担当いたしました。午前、午後ともに、全体セッション後にグループ別セッションを実施し、再び全体セッションに戻る形式であり、最初の全体セッションでは、両大学の代表者がライブで挨拶を行いました。続いて当日の流れの説明があり、その後、アイスブレイキングの一環として、すべてのファシリテータを紹介するビデオが上映されました。

(左)越前 宏俊 明治薬科大学学長(右)福島 功二 防衛医科大学校長

(左)越前 宏俊 明治薬科大学学長
(右)福島 功二 防衛医科大学校長

グループ別セッションでは、学生はファシリテータの指示する順番で、課題の発表者と司会者を1回ずつ担当しました。課題は、各自が事前に医療事故の事例について5分以上6分以内で発表できるようにMicrosoft PowerPoint®による資料を用意するもので、発表者は、画面共有機能を使用して、この資料をプレゼンテーションいたしました。発表後には、司会者を中心に全員が参加して、6分以内で、提示された医療事故事例について討論を行いました。このセッションでは、Microsoft PowerPoint®を用いた資料作成能力、双方向授業システムを使いこなして効果的なプレゼンテーションを行う能力、オンラインで相手に確実に物事を伝達する能力およびリーダーシップが要求され、まさにオンラインでのコミュニケーション能力を涵養する場となりました。

(左)発生時の流れ(中)考察(右)皆さんへの質問

続いて学生は、KJ法を参考にした手法で医療事故防止策を提案する、1時間のグループワークを実施いたしました。リーダー、書記、発表者の役割決めも、学生自らが工夫して行いました。リーダーの司会のもと、各学生は医療事故防止につながることを自由に挙げていき、書記が画面共有したMicrosoft PowerPoint®上に書き込みました。挙げられた各項目をグループ化した上で、グループ間の関係性を考察し、最終的には、発表者が、グループとして提案する医療事故防止策をファシリテータにプレゼンテーションいたしました。オンラインでのこの課題実施は決して簡単なものではありませんが、どのグループも、実際に医療事故防止策を提案することができており、仲間と協力することで課題を達成することができた経験は、きっと将来の多職種連携に役立つことでしょう。

遠隔実施の欠点として、実習の前後に学生同士が自由に話して交流できないことが挙げられますが、本合同IPEでは、グループワーク終了後に、学生のみで15分間のフリートークを行う機会を設けております。

グループ別セッション終了後は、参加者は全体セッションに戻り、両大学の合同IPE実施責任者から講評を受けました。次いで、実習後課題(アンケートと振り返り)についての説明があり、合同IPEが終了いたしました。この実習後課題は、Microsoft Excel®に記入する形式のものであり、学生がファシリテータに提出し、さらにファシリテータから合同IPE委員会に提出されます。合同IPE委員会に集約された実習後課題は、独自に開発した専用プログラムにより短時間で正確に分析され、その結果は、学生やファシリテータにフィードバックされるとともに、合同IPE委員会で検討され、本企画の改善に役立てられます。

(左)実施責任者講評 小林 靖      防衛医科大学校副校長(教育担当)・医学教育部長(中)実施責任者講評 蒲生 修治 明治薬科大学IPE部門長(右)司会進行    佐藤 全伯 防衛医科大学校医学教育研修センター教育評価部門准教授(最右)合同IPE委員会(遠隔実施)

本合同IPEは、場所を選ばずに実施可能な利点を有しております。1か所に大人数を集める必要がないため、感染症伝播のリスクがなく、またファシリテータが学外で用務等がある場合でも、実施時間に都合が合えば、インターネットに接続できる環境から参加することができます。過去には、米国やインドネシアから参加した例がありますが、障害は発生しておらず、本形式であれば海外からでも参加可能なことが示されております。以上から、本形式は、離れたキャンパス間や単科大学間でのIPE実施に適した方法と考えられます。

防衛医科大学校と明治薬科大学では、当日の実施本部のご見学の機会や実施ノウハウの提供を積極的に行っております。この度の合同IPEでも、他大学から5名の先生方が明治薬科大学実施本部を見学されました。

ご興味をお持ちの大学教員の方は、防衛医科大学校 佐藤 全伯(zenpaku@ndmc.ac.jp)、明治薬科大学 三田 充男(mitsuom@my-pharm.ac.jp)、蒲生 修治(gamoshu@my-pharm.ac.jp)まで、お気軽にお問合せくださいませ。

令和6年度防衛医科大学校・明治薬科大学合同IPEファシリテータ(50音順、敬称略)

足立 健 桒田 幸治 髙橋 雅弘 村田 洋章
荒科 悠子 小林 真一 田口 潤 室 円
岩間 裕司 齋藤 望 田湯 正法 望月 靖子
小田 絢子 櫻井 薫 坪井 美恵子 矢口 義久
海津 真里子 佐藤 仁哉 内藤 章子 山﨑 紀子
神谷 綾子 下川 健一 中村 眞弓 山田 聖子
川名 明彦 下西 みずえ 野澤 玲子 山谷 明正
菅野 敦之 新留 圭将 久宗 真理 吉松 真也
木村 幹彦 杉 富行 福内 愛
久保 論 鈴木 陽介 町田 いづみ
栗原 千枝 髙橋 はるな 松井 美帆

令和6年度防衛医科大学校・明治薬科大学合同IPE委員(50音順、敬称略)

石塚 俊晶 栗原 勲 中村 昌子
上野 美紀 小林 靖 早野 貴美子
越前 宏俊 佐藤 全伯 三上 由美子
大野 恵子 杉 富行 三田 充男
蒲生 修治 田口 潤
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