泌尿器科学講座の小林裕章助教と三好秀明１等海尉（第37期、現佐世保衛生隊勤務）が第61回日本癌治療学会学術集会（2023年10月19～21日）においてYoung Oncologist Awardを受賞しました
2023年11月15日
小林裕章助教は難治性の稀少癌である前立腺導管癌における血管新生調節因子Vasohibin-1（VASH1）の発現を検討し、同等の予後とされる高悪性度前立腺癌に比べ導管癌ではVASH1が圧倒的に高発現し、癌特異的生存の予測因子であることを報告しました。前立腺導管癌では、血管新生が異常亢進した特殊ながん微小環境が形成されていることをVASH1という新しい因子を用いて初めて証明したことが評価され、受賞に至ったものと考えます。
また三好秀明１等海尉は、泌尿器科のメジャーな腫瘍の一つである上部尿路上皮癌（腎盂癌及び尿管癌）において腫瘍浸潤先進部の線維性間質形成（desmoplastic reaction）について検討し、特に粘液間質（myxoid stroma）の形成が再発や予後を予測することを初めて証明し、報告しました。病態病理学講座との共同の研究です。他癌腫と微妙に異なる興味深い結果も得られております。病理組織標本で比較的簡便に判定でき、臨床応用しやすい新しい病理学的因子となる可能性を秘めていることも評価されての受賞であると考えます。
（文責 泌尿器科学講座 伊藤）
