医学科 Medicine

英語

本校の設置と同時に、英語、独語、仏語の3学科目が開設された。授業科目として英語12単位、独語、仏語各8単位が設けられ、卒業に必要な単位数は、英語10単位(300時間)、独語または仏語のいずれか8単位(240時間)となっていた。カリキュラムの改正に伴い、平成15年度入校の 30期生より、卒業に必要な単位数は、英語9単位(255時間、医学英語15時間を含む)、独語または仏語のいずれか8単位(120時間)となった。その後、さらなるカリキュラム改正に伴い、平成19年度入校の 34期生より、卒業に必要な単位数は、英語6単位(165時間)、選択外国語(英会話、独語、仏語、中国語)のうちから 1科目を2単位(60時間)となっている。
英語の教官には、昭和49年4月、防衛大学校から竪川吉英教授が着任し、昭和50年4月、日本獣医畜産大学から山口俊治助教授が着任し、翌年4月、Wallence Winslow Smith 氏が非常勤講師として加わった。平成7年5月以降、Smith 氏の後任の非常勤講師として Daniel Wolf 氏が長年勤務したが令和4年12月逝去された。昭和54年3月に山口助教授が退職し、同年4月、後任として上智大学外国語研究科言語学専攻博士課程満期退学の野呂健講師が着任した。昭和61年7月、野呂講師は助教授に任した。そして平成3年3月、同助教授は退職、同年5月、後任に学習院大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学の宮尾洋史講師が着任し、平成13年4月、宮尾講師は助教授に 任した。平成4年11月、本校創設以来外国語科の中心となって、同科の発展に尽力してこられた竪川吉英教授が病のために逝去された。平成5年4月、後任として東京大学大学院教養部総合文化研究科博士課程満期退学の本田幾子助教授が着任した。平成10年7月、本田助教授は教授に着任し、令和3年3月退職された。平成23年10月、広島大学大学院文学研究科英語学英文学専攻博士課程後期卒業で博士号(文学)を取得した矢口朱美助教が着任された。令和2年10月、矢口助教は学内講師となられた。平成27年7月、カリフォルニア大学バークレー校歴史学課程においてPh.D.の学位取得候補となられた木村裕子講師が着任し、平成31年3月退職された。令和2年4月、ニュージーランド国立ワイカト大学でPsy.D.を取得した奥山裕介講師が着任された。

英語の教育目的は英語の実質的な技能を習得することであり、海外ニュースに触れながら、Hearing, Speaking, Reading, Writing の能力を伸ばしていくように心がけている。また将来的に数多くの医療系の英語論文を読むことになることを鑑みて、医療英語の語彙の増強と科学的な英語論文の精読を取り入れている。さらにTOEIC の受験を通して、実用な英語能力の習得にも心配りをしている。専門的な英語能力の修養を主体としながらも、人間の素養として必要な英語圏の文化、芸術にもまなざしを送ることを忘れないように努めている。
また昭和50年8月には語学演習室が完成し、昭和63年8月と平成25年1月に、語学演習装置の更新が行われた。外国語教官による共同使用が行われ、各種AV機器とさまざまな教材の積極的利用によって、語学教育に多大の効果を挙げている。

宮尾准教授(旧助教授)は英文学専攻であり、作家ジェイムズ・ジョイスとラドヤード・キプリングの研究を専門としている。論文には『ユリシーズ』、『ダプリナーズ』、『若き芸術家の肖像』に関するものがあり、その他アメリカ文学にも目を向け、U. K. ル=グィンやマーク・トウェインに関するものもある。翻訳としては『イギリス怪奇傑作集』(福武文庫)や『キプリング インド傑作集』(鳳書房)等がある。
奥山講師は異文化コミュニケーションを専門とし、研究員ならびにコミュニティ心理師として、国連、赤十字・赤新月社との「人道支援モニタリング評価報告書」(2002-2011、於ニュージーランド、モロッコ王国)、「先住民マオリ族との文化的安全性を求めた組織介入」(2012-2019、於ニュージーランド)等のアクション研究に携わってきた。近年ではアメリカ心理学会第27部会にて異文化コンピテンス育成研究に励み、評価員としても携わっている。
矢口学内講師は英文学専攻であり、ヴィクトリア朝からモダニズムにかけてのイギリス文学と科学哲学史、特にイギリス心理学の成立過程における文学と科学の交わりを、おもにジェンダーの視点から研究している。論文に「「距離というものには大変な力が」―『灯台へ』に見る労働者としての「母」と子どもの観察運動」(『終わらないフェミニズム―「働く」女たちの言葉と欲望』(研究社)所収)等がある。またフローレンス・ナイチンゲールについての研究も行っており、共著に『ナイチンゲールはフェミニストだったのか』(日本看護協会出版会)がある。

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