卒業後の進路
卒業後について
医師国家試験
本校の卒業生には一般医科大学の卒業生と同様に医師国家試験の受験資格が与えられます。試験合格者には医師免許証が交付されます。
初任実務研修・専門研修
総合臨床医として必要な診療各科にわたる基本的知識及び技能を修得するため、本校及び自衛隊中央病院において初任実務研修(医師法に定める2年間の臨床研修)を行った後は、約2年間部隊等において勤務することとなりますが、この間に、初級幹部自衛官としての教育が行われます。
この後、医学の専門分野に関する知識及び技能を錬磨し、医師としての資質の向上を図るために、更に2年間(一部では3年間)の専門研修が行われております。
医学研究科(医学研究課程)
本校を卒業した医官等に対して、近代医学に立ち後れることのないように医学の現状及び将来に対応しうる医学研究能力と指導的能力を修得させ、自衛隊の保健・医療水準の向上を図るため、学校教育法に基づく大学院医学研究科(博士課程)に相当する医学研究科(医学研究課程)が本校に設置され、修業年限4年の教育が行われております。
なお、医学研究科の学生の定員は120名であり、学生数は、1学年につき30名を基準としています。
その系列・専攻分野は、次のとおりです。
総合基礎医学群 | 総合生理学系 | 解剖学 |
生理学 | ||
生化学 | ||
薬理学 | ||
医用電子工学 | ||
分子生体制御学 | ||
総合病理学系 | 病理学 | |
微生物・免疫学 | ||
寄生虫学 | ||
総合社会・環境医学系 | 衛生学 | |
公衆衛生学 | ||
法医学 | ||
総合臨床医学群 | 救急医学及びプライマリー・ケアー医学系 | 総合内科学 |
外科系プライマリー・ケアー学 | ||
救急医学 | ||
集団臨床医学 | ||
臨床病理学 | ||
麻酔・蘇生医学 | ||
成長発達臨床医学 | ||
成人医学系 | 循環器病学 | |
呼吸器病学 | ||
消化器病学 | ||
腎臓病学 | ||
内分泌・代謝病学 | ||
アレルギー・膠原病学 | ||
血液病学 | ||
神経病学 | ||
精神科学 | ||
整形外科学 | ||
皮膚科学 | ||
泌尿器科学 | ||
眼科学 | ||
耳鼻咽喉科学 | ||
産科婦人科学 | ||
放射線医学 | ||
口腔外科学 |
償還金等
やむを得ぬ理由により、卒業後勤務年限が9年に満たないで自衛隊を離職する場合は、卒業までの経費を償還しなければなりません。
卒業後の進路
1.幹部候補生学校(6週間)
広い知識と技術を修得する
卒業後は、陸・海・空曹長に任官され、幹部候補生として陸上・海上・航空自衛隊の幹部候補生学校(福岡県久留米市、広島県江田島市、奈良県奈良市)に入校し、幹部自衛官として必要な知識及び技術の修得のための教育を受けます。
2.初任実務研修(2年)
診療・医療環境を学ぶ
医師国家試験に合格し、かつ幹部候補生学校を卒業した者は、2等陸・海・空尉に昇任します。防衛医科大学校病院及び自衛隊中央病院などにおいて2年間の臨床研修を行い、総合臨床医としての研鑽を積んでもらいます。
3.部隊などに勤務(約2年)
現場で医療の技術を培う
初任実務研修を修了すると、自衛隊の病院または部隊、医務室などに医官として勤務することになります。約2年間、部隊等において勤務する間に、初級幹部自衛官としての教育が行われます。
4.専門研修(2年間※研修科目によっては最大4年間)
医学の専門分野の基礎を広く修得
2年間の部隊勤務後は、自身が選択した専門分野(内科学・外科学など)の研修科目を防衛医科大学校病院などで学びます。研修修了後は、ほとんどの者が専門医の資格を取得しています。
5.部隊などに勤務(1年以上)
活躍の場は世界規模
自衛隊の役割・活動の範囲が広がるにつれ、医官に求められる能力は拡大の一途を辿っています。それにつれ、医官の役割はますます重大なものになり、本校卒業生の活躍の場は、国内のみならず国際的にも広がっています。
6.医学研究科(4年間)
進歩・発展する医学・医療に対応
医学に関する高度の研究能力及び豊かな学識を修得することを目的としています。修了後は大学改革支援・学位授与機構の行う学位論文審査に合格すれば、博士(医学)の学位が授与されます。
卒業後の活躍
幅広い活躍フィールド
卒業後の活躍の場は多岐にわたり、自分の可能性を大きく広げることができます。例えば病院勤務以外にも国際緊急援助活動や部隊勤務といった幅広いフィールドが用意されています。自衛隊の任務が国防に加えて災害派遣、国際貢献、テロ対策に及ぶにつれ、自衛隊衛生と医官に求められる能力には、さらに期待が高まっています。