(3)総合社会・環境医学系
衛生学
教授:角田 正史(講座等名:衛生学公衆衛生学)
研究活動等
衛生学の守備範囲は非常に広い。現在は疫学をベースにして環境医学、産業医学、予防医学、毒性学に関する研究を行っている。手法も多様で、動物実験、細胞培養、既存の検診データの活用から制度への介入による健康影響の評価など様々である。実験室の設備はそろっており、実験研究を行いたい者には十分対応可能である。単に一つの疾病を見るだけでなく、個人、集団及び社会を研究対象とし、予防を中心に構成された学問として、衛生学をとらえて欲しい。環境医学では、毒性学の手法を用いた動物実験を行い、環境汚染物質であるフッ素の神経毒性を評価している。また、産業医学では、クリーニング従事者のメンタルヘルスに関する研究を行っている。
公衆衛生学
教授:角田 正史(講座等名:衛生学公衆衛生学)
研究活動等
公衆衛生学は集団を対象とした学問として位置づけされている。臨床各科が一人一人の患者さんに特化した能力の養成を目的としているのに対し、公衆衛生学は集団としての人を対象とする。集団における各種疾病の発生傾向やそのリスクファクターの抽出、効果的な予防策の策定と実行を一連の流れとしてとらえ、広く国民の健康状態の向上に寄与することを目的としている。研究手法は各研究者においてさまざまであり、分子疫学アプローチによる輸血学の研究も行っており、自らのオリジナリティを生かした研究が行いやすい。集団で生活・行動を行う自衛隊員の衛生に貢献することに通じる非常に重要な学問である。なお当講座は「防衛医科大学校 社会医学系専門医研修プログラム」の事務局を担っており、防衛医学講座、救急部、分子生体制御学講座などと連携して専門医の取得が可能である。
教授:加來 浩器(講座等名:防衛医学研究センター広域感染症疫学・制御研究部門)
研究活動等
多様な任務が期待されている自衛隊の各部隊等では、個々の作戦ごとにその遂行上脅威となる感染症が存在し、時には長期にわたる健康管理を必要とする重要な感染症も存在している。それらに対して、公衆衛生的観点から優先的に、かつ効率的・効果的に諸施策を決定し遂行することが求められている。本分野では、各種感染症のリスク評価、サーベイランスの基礎と応用、実地疫学調査の手法の習得などを通じて、防衛医学的観点からの感染症対策のありかたについて検討を進めていく。
法医学
教授:金武 潤(講座等名:法医学)
研究活動等
法医学は医学及び自然科学を基礎として、医と法の接点で生じた問題を解決する分野である。本講座の基本理念は研究・鑑定を通じて基本的人権の擁護、社会の安全、福祉の維持に寄与することにある。主たる研究分野は法医病理、死体現象の数値化及び死後経過時間推定であり、実務への応用を重視している。また、本校の特殊性を生かし、大規模災害時等における検案・個人識別を行うための体制及び法制度に関する研究を行っている。教育面では鑑定・検案等の実務も重視している。