(2)総合病理学系
病理学
教授:松熊 晋(講座等名:臨床検査医学(兼)病院検査部)
研究活動等
臨床と病理の関連に重点を置き、ヒトの疾患発生メカニズムや病態の解析及び解明などを理解させる。
研究は形態学を主軸に様々な各レベルで解析する。また、死体解剖資格、病理専門医、細胞診専門医資格、さらに病院検査部の協力の基に臨床検査専門医資格の取得が可能である。
最終的には研究テーマを学会に発表し、論文作成の能力を養い、将来の自衛隊衛生領域における病理と臨床の関連業務のための能力を修得させる。
教授:佐藤 仁哉(講座等名:病態病理学)
研究活動等
病理学そのものが基礎と臨床の架け橋の位置にあり、疾病の発生機序、病態解析、疾患概念の整理、治療の先駆的研究やバイオマーカー探索など多目的である。病理解剖、外科病理、実験病理と広くかつ深く研究を行っている。研究方法は培養細胞・動物実験、免疫組織化学、FISH法、定量PCR、ゲノム・プロテオーム解析、画像解析などを用いる。全国的病理診断の精度保証システム構築や多施設共同研究参画等を通じて研究成果の社会還元も目指している。研究科では、基礎的な研究の基盤とより国際的な視野の育成に役立ちたいと考えている。
微生物・免疫学
教授:木下 学(講座等名:免疫・微生物学)
研究活動等
肝臓の自然免疫を担うクッパー細胞、NK細胞やNKT細胞、好中球などとこれらが産生するサイトカインが、各種感染や外科侵襲ストレス、心理的ストレス、腫瘍に対する生体防御に果たす役割、それに合併するショックや多臓器不全の機序とその制御を研究している。フローサイトメトリーやセルソーター、ノックアウトマウスなどを駆使した最新の免疫学的手法による生体防御能の解析を行っている。クッパー細胞に貪食殺菌型とサイトカイン産生型、B 細胞にも貪食殺菌型と抗体産生型の2種類が存在することを同定し、従来の液性・細胞性免疫学に新知見を加えた。教室ではショック・侵襲や感染の病態解析のみならず、新規治療法の開発を目指した医工連携や他大学との共同研究、海外との共同研究を幅広く精力的に行っている。
国際感染症学
教授:令和7年4月着任予定(講座等名:国際感染症学)
研究活動等
国際化の進展は感染症の動向と制御に大きく影響する一方で、感染症学の知の蓄積は感染病原体への多岐にわたる対抗戦略の拡大に寄与して来た。病原体検知、診断、治療戦略は多くの病原体に対して有効であり、免疫学的予防戦略(ワクチン)と疫学的予防戦略の発展は、感染症との戦いのあり方を大きく変えている。しかし、このような状況においても、感染症の流行抑制、封じ込めを目的とする従来の感染制御手法は、感染制御への抵抗性を示す感染病原体の存在や新型感染症の脅威が増す時代を迎えてその限界を露呈しており、この限界を打破するために新たな発想による感染制御の手法開発が求められている。本専攻では、まず病原体の変化に対し柔軟に対応できる病原体検知、診断、治療戦略の開発を目標とする。次に、人体の備える生体防御機構や、病原体の生存戦略などの詳細な解析を通して、新規かつ効果的なワクチン手法の開発を目指す。最後に、疫学的感染制御手法を従来の常識にとらわれず最適化し、感染症の流行を制御する新たな戦略を生み出して行く。