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医療の質可視化プロジェクト

我が国の全病院を対象に、指標を活用して医療の質を可視化するプロジェクトです。病院の役割・規模等にかかわらず、本事業で検討した質管理に重要な指標を計測し、医療の質のさらなる向上を目指すオールジャパンの取組です。

【目 的】

全国の医療機関との比較や自院の経年的なデータの推移から、自院の立ち位置を客観的に把握し、医療の質改善活動の契機とすることを目的としています。

【対 象】

全国の病院 (358病院)

【計測する指標】

テーマ 質指標
医療安全 ①転倒・転落(件数)
入院患者に発生した転倒・転落件数/入院患者延べ件数(‰)
【説明】入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者に傷害が発生した率と、患者への傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味があります。転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。

②転倒・転落(3b 以上)
入院患者に発生したレベル3b 以上の転倒・転落件数/入院患者延べ件数(‰)
【説明】入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者さんに傷害が発生した損傷発生率と、患者への傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味があります。転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。
 こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。

③肺塞栓の予防(リスクレベル「中」以上)
分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数/リスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(%)
【説明】周術期の肺血栓塞栓症の予防行為の実施は、発生率を下げることにつながります。
感染管理 ④血培2セット
血液培養オーダが1日に2件以上ある日数/血液培養オーダ日数(%)
【説明】広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことは、望ましいプラクティスとなります。また、血液培養は1 セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2 セット以上行うことが推奨されています。2014 年度診療報酬改定から、血液を2か所以上から採取した場合に限り、2回算定できるようになっています。

⑤広域抗菌薬使用時の細菌培養
分母のうち入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数/広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(%)
【説明】近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。

⑥予防的抗菌薬投与
分母のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数/手術室で行った手術件数(%)
【説明】現在、細菌感染を起こしていないが、手術後の感染をできるだけ防ぐために、抗生物質をあらかじめ投与することを予防的抗菌薬投与といいます。開胸、開腹を伴う手術等は、手術開始直前に抗菌薬を点滴などで投与することにより、手術後の感染を抑えることが期待されています。
ケア ⑦褥瘡発生(d2 以上)
d2(真皮までの損傷)以上の院内新規褥瘡発生患者数/入院患者延べ数(%)
【説明】褥瘡は、看護ケアの質評価の重要な指標の1つとなっています。褥瘡は患者さんのQOLの低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶことによって、結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります。そのため、褥瘡 予防対策は、提供する医療の重要な項目の1つにとらえられ、1998年からは診療報酬にも反映されています。 本指標の定義は、目の前の患者さんが褥瘡発生する確率を見ているものであり、日々のケアの質に関わるものです。

⑧入院早期の栄養ケア(65 歳以上)
分母のうち、入院3 日目までに栄養ケアアセスメントが行われたことがカルテに記載された患者数/65 歳以上の退院患者数(%)
【説明】早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、在院日数の短縮、予後改善につながります。

⑨身体拘束率
分母のうち、物理的身体拘束を実施した患者延べ数/入院患者延べ数(%)
【説明】身体的拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生ぜしめる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならないものとされています。施設や医療機関などで、患者を、「治療の妨げになる行動がある」、あるいは「事故の危険性がある」という理由で、安易にひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、患者さんをベッドや車椅子に縛ったりする身体拘束、身体抑制は慎むべきものです。

【メリット】

●医療安全、感染管理、ケアに関連した代表的な指標を可視化できる
●自院における経時的変化および他施設比較をとおして、自院の現状を客観的に把握できる

【当院のデータ】

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防衛医科大学校